こんにちは^^
副業アドバイザーのから坊です。
副業の先に脱サラを考えたときに、心配になるのは会社から福利厚生を受けられなくなることです。
特に万一のことを考えると、社会保険の優遇を受けられないのは不安ですよね。
そこで今回は、フリーランスが受けることができる福利厚生サービスを紹介していきます。
それでは、行ってみましょう。
そもそも福利厚生って?
企業における福利厚生とは、賃金とは別に従業員やその家族へサービスや報酬を提供すること、およびその施策のことを言います。
施策とは言っても、福利厚生のすべてが各社の意志で打ち出されるものではありません。
福利厚生は、会社の意志に関係なく法律で義務付けられている「法定福利厚生」と、会社が独自に設定する「法定外福利厚生」の2種類に分類されます。
「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」のそれぞれに該当するものを列記します。
法定福利厚生(会社の義務)
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険(失業保険)
- 介護保険
- 労災保険(労働保険)
- こども・子育て拠出年金(児童手当拠出金)
法定外福利厚生(各社の任意)
- 住宅手当
- 交通費支給
- 健康診断の費用負担
- 育児支援(時短勤務、託児所等)
- 特別休暇
- 慶弔
- 自己啓発支援
- レクリエーションの補助
- ライフプラン研修
- その他さまざま・・・
福利厚生費は経費として認められるため、会社にとっては税金を圧縮する効果があります。
法定外福利厚生は各社が差別化を図ることができる部分ですので、その充実度によって社員の士気が向上し、生産性や定着率のアップが期待できます。
また企業がイメージアップすることにより、採用活動でも自社をアピールできるため、優秀な人材を獲得しやすくなります。
逆に法定外福利厚生が同業種同規模の会社の中で見劣りしていると、社員の労働意欲が低下し、生産性低下や人材流出の懸念が生じることになります。
学生も同業種企業を横並びで比較検討する中で、福利厚生が見劣る企業は敬遠されがちになるでしょう。
なお近年では、福利厚生を専門業者にアウトソーシングしてコストを抑える動きがトレンドとなっています。
フリーランスと会社員の福利厚生の差
そもそも福利厚生は「従業員」に対するものなので、「事業主」であるフリーランスは福利厚生を受けられる立場ではありません。
従ってフリーランスと会社員を福利厚生で比べると、フリーランスはかなり不利です。
まず法定福利厚生については、大きく2点あります。
1つ目は、社会保険料の自己負担額の違いです。
会社員は社会保険料の半額を会社が負担してくれますが、フリーランスは全額負担です。
つまりフリーランスは会社員の2倍払わなければならないのです。
2つ目は、将来の年金額の違いです。
公的年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造ですが、このうち厚生年金に加入できるのは原則として会社員のみです。
会社員は更に「企業年金」の上乗せもあります。
フリーランスは厚生年金に加入できませんし、企業年金も受けられないため、将来の年金額は会社員に比べて大幅に少ないものとなります。
次に法定外福利厚生ですが、こちらは各企業が従業員に対して任意で支援する部分ですので、会社に所属しない立場のフリーランスは個別の会社の福利厚生を受けることはできません。
こちらもCHECK
-
脱サラを失敗する前に確認すべきサラリーマンの22ものメリット
続きを見る
繰り返しますがフリーランスは事業主なので、会社が従業員に提供するサービスである福利厚生を受ける立場にはありません。
でも自ら個人契約することにより、福利厚生と同じように享受できるサービスが存在します。
フリーランスが受けられる福利厚生サービス
フリーランスが受けることができる福利厚生サービスは、提供組織によって以下のように分かれます。
- クラウドソーシング運営会社のサービス
- 福利厚生代行業者のサービス
- 非営利団体等のサービス
それぞれ主なものをご紹介します。
クラウドソーシング運営会社のサービス
会員ワーカー向けの福利厚生サービスを提供するクラウドソーシング運営会社が増えています。
各業界の会社が採用活動で重要視しているように、クラウドソーシング業界でも福利厚生はワーカー会員獲得のための重要なアピールポイントと考えられてきているようです。
代表的なものとして、クラウドソーシング界の両雄、クラウドワークスとランサーズについて紹介します。
クラウドワークス
クラウドワークスは、会員ワーカー向けの特典として福利厚生サービスを無料で提供しています(クラウドワーカー会員特典)。
主な内容は「ライフサポート」「お仕事サポート」「スキルアップ支援」の3本柱です。
※ライフサポートのうち「ベネフィット・ワン」のサービス利用は、クラウドワークスで3か月連続3,000円以上の報酬があることが条件です。
ランサーズ
ランサーズも会員フリーランス向けの福利厚生として「フリーランストータルサポート」を基本無料で提供しています(フリーランストータルサポート)。
主な内容は「税務のサポート」「生活支援」「スキルアップ教育」の3本立てとなっています。
※生活支援「Lancers クラブオフ」のサービス利用は、ランサーズで3か月連続5,000円以上の報酬があることが条件です。
また、エージェント業者がフリーランス向けに提供する福利厚生サービスもあります。
例えば、レバテックのレバテックケア、ジークスジョブのフリノベ、イントループのフクリント、PE-BANKのサポートプラスなどがこれに該当しますが、これ以外にも会員が福利厚生代行業者のサービスを利用できるエージェント業者も多数存在します。
福利厚生代行業者のサービス
バブル崩壊以後、福利厚生のコスト負担を削減するために福利厚生サービスのアウトソーシングが進みました。
民間の福利厚生代行業者のサービスの中には、フリーランスが利用できるものもあります。
ただし、法人向けサービスの全メニューが利用できるとは限りませんので、注意が必要です。
ベネフィット・ステーション
ベネフィット・ステーションは、ベネフィット・ワンが提供する総合的な福利厚生サービスです。
個人向けの主力メニューである「ベネフィット・ステーション プライベート」は、企業向けサービスのうち一部利用ができないものがあるものの、月額330円で約100万もの宿泊、グルメ、レジャー&エンタメ等の割引サービスが受けられます。
※(2022年2月注釈)2022年3月末をもってベネフィット・ステーション プライベートのサービスは終了し、同年4月より後継サービスに切り替わることが公表されています(ベネフィット・ステーション プライベート サービス終了のご案内)。
FREENANCE(フリーナンス)
フリーナンスはGMOクリエーターズネットワークが提供する、フリーランス向けの「お金と保険」に特化したサービスです(【FREENANCE】)。
主な内容は「業務遂行中の事故補償」「ファクタリング(請求書買取)」「所得補償」となっており、万一の場合に備えたサービスが充実しています。
フリーナンスの主な収入源はファクタリングの手数料(3~10%)です。
しかしファクタリングを利用しなくても事故補償が無料で付帯しますので、とりあえず入会登録しておく価値があるサービスと言えるでしょう。
こちらもCHECK
-
フリーナンスの評判・口コミ。無料登録だけでメリット?副業も使える
続きを見る
非営利団体等のサービス
フリーランスが利用できる福利厚生サービスを提供するのは民間の営利法人だけではありません。
非営利団体等が提供するサービスで、フリーランスが利用できるものもあります。
フリーランス協会
フリーランスのためのインフラとコミュニティを提供する団体であるプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会は、会員向けに多くの割引優待等の特典を用意しています(入会ベネフィット)。
年会費は10,000円で、内容は「保険」「福利厚生(民間のWELBOXを含む)」「会計税務」「法務相談」「キャリア支援・ジョブマッチング」など多岐に渡っています。
あんしん財団
あんしん財団は、中小企業の健全な発展と福祉の増進に寄与することを目的に設立された一般財団法人で、フリーランスも入会可能です(サービス紹介)。
会費は月2,000円で、内容は「ケガの補償」「福利厚生(民間のWELBOXを含む)」「災害防止サービス」の三事業です。
日本フルハップ
日本フルハップは、中小企業の健全な発展と福祉の増進に寄与することを目的とする公益財団法人で、フリーランスも入会できます(日本フルハップ)。
会費は月1,500円で、内容は「ケガの補償」「ケガの防止」「福利厚生(民間のクラブオフを含む)」です。
中小企業勤労者福祉サービスセンター
全国の中小企業勤労者福祉サービスセンターは、各地域の自治体が中心となり中小企業と大企業との福利厚生の格差を是正するために設立された、総合的な勤労者福祉事業を行う団体です。
フリーランスも受けられるサービスもありますが、その内容は各センターにより異なりますので、お住いの都道府県のホームページ等でご確認ください(東京都の例:TOKYOはたらくネット)。
まとめ
無いと思っていたフリーランス向けの福利厚生サービスですが、意外にあるものです。
ただ、サービス内容は横並びではなくそれぞれ特徴や重視するところが異なります。
自分が必要とするサービスが、例えば万一の場合の補償なのか、あるいはライフサポートなのか等よく考えたうえで、コストパフォーマンスを含めて検討したいものです。
以上、から坊でした。