こんにちは^^
副業アドバイザーのから坊です。
働く場所にとらわれない「リモートワーク」の普及に伴って、地方に滞在したまま会社の仕事をする「ワーケーション」という働き方が人気だといわれます。
その一方で、物理的に離れた地方企業のために働く「地方副業」「ふるさと副業」という副業の考え方が広がりを見せています。
地方企業と副業ワーカーを結びつける地方副業のマッチングサイトも案件を増やしているようです。
今回は、地方副業のマッチングサイトの特徴や、副業ワーカーにとって懸念される点について説明していきます。
それでは、行ってみましょう。
地方副業が注目される理由
地方には慢性的な人材難に悩む企業がたくさんあります。
技術や知見を得られず飛躍できない企業が多いのです。
専門性の高い人材が見つかったとしても、フルタイムで迎え入れるほどの仕事量が無ければ採用に踏み切ることはできません。
その一方で都会の企業で働く会社員は、任務が細分化された狭い役割の中で、ややもすると働き甲斐を失いがちです。
近年の「副業」と「リモートワーク」の広まりの中で、「地方の企業」と「都会の人材」を結びつける機能として「地方副業マッチングサイト」の存在が注目を集めています。
地方企業の「フルタイムで参画して欲しいわけではない」思惑は「副業」がクリアし、都会人材の「移住はハードルが高い」という不安は「リモートワーク」が解決するのです。
地方副業では、プロフェッショナルな領域を持つスペシャリストの案件も、広い知識やスキルを持つゼネラリストを求めるプロデューサーの案件も、ともに存在します。
副業は、本来は本業だけでは不十分な収入を補うための手段ですが、地方副業は「単なる副収入のためだけ」よりも、自分のスキルをシェアし地域に貢献する喜びを得ることを目的とする場合が多いと言われます。
本業での超専門的な狭い役割では得られない、特別な経験を期待することができます。
自分を差別化できる領域で、出身地や特別な思い入れのある地域に貢献することによって、高揚感や達成感を享受できるのです。
地方副業マッチングサイトの特徴
副業人材を求める地方企業とコンタクトするには、地方副業マッチングサイトを活用するのが効率的です。
地方副業マッチングサイトとは、「地方の企業」と「副業したい人」とを結びつけるサービスを行うサイトのことです。
多くのクラウドソーシングのサイトと同様に、クライアント側が提示する条件にワーカー側が応募する形でマッチングを行うサービスです。
単発の案件が多いクラウドソーシングに比べて、地方副業は数か月程度の期間を定める案件が多く、中にはその後の継続オプション付きの案件もあります。
サイト運営側のスタンスは、クライアントとワーカーを引き合わせる「場所の提供者」であり、クライアントとワーカーの間で面談のうえ直接契約を結ぶことになります。
クライアント企業にとっては重要課題を解決するためのオファーですので、採用審査は真剣なものになります。
副業ワーカーは企業との交渉の場数を踏むことで、自己の売り込み方の上達が期待できます。
一般的なクラウドソーシングでは誰でもできるような案件もありますが、地方副業マッチングサイトでは専門性が不要な案件はあまり多くはありません。
特定のIT技術を求める案件や、戦略立案やプロジェクト管理などのプロデューサー案件および顧問案件が目立ちます。
副業初心者であることに問題はありませんが、アピールできる専門的な実績がある方が有利と言えるでしょう。
なお上記のようなプラットフォーム型のサイトサービス以外に、エージェントサービスを提供する会社もあります。
ワーカーはエージェントとの面談を経て、マッチする案件をエージェントから紹介される形態のサービスです。
ワーカー自ら各企業へ売り込みをする必要が無いのが特徴です。
地方副業は、基本的にはリモートワーク中心の働き方を前提とする場合が多いです。
ただし、月1~数回の出社を求められる場合もあります。
報酬は条件によりまちまちですが、月に1回~4回の勤務で月3万~10万円程度の案件が多いようです。
高い専門性が求められる案件が多いだけに、一般的なクラウドソーシングの案件よりも高報酬になる傾向にあります。
この他にもいくつかの特徴的な事がらがあります。
- 詐欺的な案件はまず無い
- 報酬以外のやりがいを得やすい
- 自分の(特筆できる)実績になる
クラウドソーシングの界隈には、隙さえあればワーカーを騙してやろうと企む輩がうろついていますが、地方副業マッチングサイトでは、そのような怪しい案件に遭遇することはほぼありません。
そして社運をかけて必死になっている人たちと共に働くことで、使命感ややりがいを感じやすい面があります。
また地方企業の創生・再生に貢献した実績は、単なる経歴だけではなく、チャレンジングなパーソナリティーであると評価されることに繋がります。
主な地方副業マッチングサイト
地方副業マッチングサイトは最近増えていますが、そのうち主要ないくつかを簡単に紹介します。
主な地方副業マッチングサイト
- JOB HUB LOCAL
- JOINS
- Loino
- Skill Shift
- YOSOMON!
- ともるい
- ふるさと兼業
JOB HUB LOCAL
「JOB HUB LOCAL」はパソナJOBHUBが運営し、共感をキーワードに数地域で展開しています。
「旅するようにはたらく」をコンセプトに、現地に訪問して滞在する案件も多いのが特徴です。
JOINS
「JOINS」は、40~50代向けのより高度な副業案件が多く、ほとんどがリモートワーク案件です。
「心理安全性プログラム」という、面談前にお互いの人柄や価値観を知ることができる機能があります。
Loino
「Loino」はパーソルイノベーションが運営しています。
地方自治体や全国の金融機関と連携して、企画職を中心としたリモートワーク案件をメインに、多様な地方案件を発掘しています。
地方企業の課題に対して、3か月~1年程度の中長期で関わる案件が多いのが特徴です。
Skill Shift
「Skill Shift」は、「副業正社員」という新しい企業との関わり方を提案しています。
自治体との連携案件が多く、マーケティングや経営企画など上流工程の案件が多いのが特徴です。
サイトの案件検索機能が充実しています。
YOSOMON!
「YOSOMON!」は、NPO法人ETICが運営しています。
自分のスキルや経験を活かし、会社を辞めずに地方企業の課題解決に参画できるプロジェクト紹介サイトです。
現地訪問が必要なプロジェクトから完全リモートワークまで、様々な働き方の案件があります。
ともるい
「ともるい」は、新潟大学発のベンチャー企業が運営しています。
クライアントは新潟県の企業が中心ですが、他の地域の案件もあります。
ライター、デザイナー、動画クリエイター、開発エンジニア、SNSの運用などクリエイター関連の仕事が多めの印象です。
ふるさと兼業
「ふるさと兼業」は、岐阜のNPO法人G-netが運営していますが、岐阜以外のプロジェクトに関しては、地元の町おこし会社やNPO等と連携しています。
企業との面談前に地域パートナーとの面談があるなどサポートを受けられます。
特別なスキルを必要としない案件もあるようです。
また、いきなりエントリーするのは不安な方向けに、お試しプログラムも用意されています。
ワーカー側から見た懸念や課題
地方副業マッチングサイトを利用することで、ワーカーの立場ではどのような懸念や課題があるでしょうか。
主なものとしては、以下の3点が考えられます。
- 競業避止義務に抵触する恐れ
- 匿名でできる仕事が少ない
- 誰でもできる仕事はあまりない
競業避止義務に抵触する恐れ
最も大きな懸念は、本業で習得した専門的なスキルを他社のために使うことが、競業避止義務に抵触しないかということです。
多くの企業は社員に対して、会社の情報やノウハウ等を利用した会社の利益を害するおそれのある行為を禁じているはずです。
地方副業の活動に用いる技術が本業とは関係のないノウハウでない限りは、会社から義務違反を指摘される懸念があるのです。
匿名でできる仕事が少ない
匿名性を確保できる案件が少ない点は、会社に内緒で副業をしたい人には問題となるところです。
サイト運営が個人情報を第三者に漏洩するとは考えにくいですが、クライアント企業が本業の会社と取引きが無いとは言い切れないでしょう。
また副業として働いた地方企業が自社の活動をホームページ等でアピールする際に、関係者が写った写真等を掲載してしまうかもしれません。
地方には保守的な会社や担当者も多いことが考えられるため、匿名では責任のある仕事をできるはずがないと判断されてもおかしくはありません。
実名で契約する場合は、副業することを本業の会社には明かせない事情を説明したうえで、契約内に守秘義務や個人情報保護について明確に定めておくことが肝要です。
そのうえで、あくまで自己責任で、ということになります。
誰でもできる仕事はあまりない
一般的なクラウドソーシングのサイトには、専門的なスキルが無くても対応できる案件はあります。
しかし地方副業マッチングサイトには、誰にでもできるような仕事はあまり多くはありません。
サイトによっては、逆に専門性の高さを売りにしている場合もあります。
まとめ
地方副業は身元を明かさずに匿名で働くのは困難な場合が多いため、会社に内緒で副業をしたい人にはハードルが高めです。
また、クライアントから求められるスキル要件が高いことが多いのも特徴です。
しかし特定の分野で腕に覚えがあり、そして熱量が多めの人にとっては、お金だけではなく地方貢献という喜びを得られる機会になるかもしれませんね。
以上、から坊でした。