こんにちは^^
副業アドバイザーのから坊です。
ふるさと納税をやっている人、かなり増えています。
特に2015年の税制改正でワンストップ特例制度が始まって以来、その手軽さが支持されているようです。
ただし、副業の所得がある場合はワンストップ特例の適用外となることをご存知でしょうか。
ふるさと納税ってネットショッピングのような手軽な見てくれですけど、税金面できっちり恩恵を受けるには分かり難さもある制度です。
今回は、ふるさと納税と副業の組み合わせがもたらす税金への影響について、できるだけ平易に説明していきたいと思います。
それでは、いってみましょう。
ふるさと納税で副業はバレる可能性が高い
まず最初にお伝えしますが、ふるさと納税をすると、副業が会社にバレる可能性が高まります。
詳細は下の記事をご覧頂きたいのですが、副業が会社にバレると困る人は、ふるさと納税はやらない方が無難です。
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当記事のここから先は、副業がバレても構わない場合に限りお読み頂ければと思います。
ふるさと納税のワンストップ特例制度とは
ふるさと納税は「納税」という言葉が使われていますが、実は応援したい自治体への「寄付」にあたる制度です。
寄付することによって税金の控除が受けられるうえに、寄付の上限額を超えない範囲であれば実質2,000円で特産物などの返礼品を受け取ることができます。
ただし、ふるさと納税を行っただけでは税金の控除は受けられず、寄付した全額で返礼品をもらえるだけになってしまいます。
確定申告でふるさと納税の手続きをすることにより、はじめて所得税と住民税の控除を受けることができるのです。
まず、確定申告をすることで所得税から「寄附金控除額」を差し引いてもらえます(還付されます)。
そして、差引いた後の所得税をもとに算出される住民税も節税できるというわけです。
しかし確定申告はサラリーマンにとって敷居が高い印象があるため、ふるさと納税の促進を目的として、2015年より自治体に「ワンストップ特例」の申請をすれば、確定申告をしなくても住民税の控除が受けられるようになりました。
確定申告書を提出しなくてもいいので、サラリーマンにとってふるさと納税が身近なものとなり、ワンストップ特例が始まった2015年(平成27年)より件数も金額も大幅に増加しました(総務省:ふるさと納税に関する現況調査結果)。
確定申告の場合は所得税の控除に加えて住民税も控除されますが、ワンストップ特例の場合は所得税からの控除は行われず、その分も含め全額が住民税で控除されます。
ワンストップ特例は所得税の控除が無い分住民税の控除が増えるため、(控除の上限に達していなければ)原則として確定申告とワンストップ特例の控除額の合計はほぼ同じです。
<確定申告とワンストップ特例の比較>
確定申告 | ワンストップ特例 | |
所得税と住民税 | 控除対象 | 住民税 |
税務署に確定申告書を提出 | 申請方法 | 自治体にワンストップ特例申請書を提出 |
寄付した翌年の3月15日 | 申請期限 | 寄付した翌年の1月10日 |
副業所得があるとワンストップ特例は受けられない
ワンストップ特例を申請するには、3つの条件をクリアしている必要があります。
ワンストップ特例の申請条件
- 1年間のふるさと納税先が5自治体以内であること
- 確定申告を行う必要のない給与所得者であること
- 住民税の申告を行う必要がないこと
このうち1つ目の条件である「1年間のふるさと納税先が5自治体以内であること」は、副業所得の有無とは関係ありません。
ワンストップ特例を申請するためには、ふるさと納税先の自治体数が5以下である必要があるという条件です。
2つ目の条件である「確定申告を行う必要のない給与所得者であること」は、多くのサラリーマンはクリアできますが、副業所得が年間20万円を超える場合はひっかかります。
副業所得が年間20万円を超えると、税務署に確定申告書を提出する必要が生じるためです。
それでは副業所得が20万円以下で確定申告を行う必要が無ければワンストップ特例を申請できるかと言うと、そうではありません。
3つ目の条件である「住民税の申告を行う必要がないこと」にひっかかるためです。
住民税の金額は、所得額とは関係ない「均等割」と、所得額に応じて課税される「所得割」とで構成されているため、課税する自治体は所得額の情報が必要になります。
確定申告をすれば所得税とともに住民税の申告も同時に行うことになるため、改めて自治体への住民税の申告をする必要はありませんが、確定申告をしていない場合は自治体への申告が必要になるのです。
以上のとおり副業の所得があれば、その金額によって申請条件の2か3のどちらかにひっかかってしまうため、どのみちワンストップ特例は申請できない、ということになります。
ここで副業所得が20万円以下の場合、つまり確定申告の義務が無い場合について考えてみます。
住民税の申告が必要となるため、ワンストップ特例は申請できません。
住民税の申告でふるさと納税分を申告すると、住民税の寄附金税額控除は受けられますが、それだけでは所得税の寄附金税額控除を受けることは出来ません。
つまり、確定申告をして20万円以下の雑所得の所得税を支払ったうえでふるさと納税分の寄附金控除を受けるか、確定申告をしないで20万円以下の雑所得の所得税を支払わず(義務はないので脱税ではありません)ふるさと納税の寄附控除分を放棄するか、どちらかを選ぶことになります。
ふるさと納税は確定申告するつもりで
ふるさと納税をやっている人が副業を始めたけど、たとえばブログアフィリエイトなどでまだ所得が発生していない場合は、他の条件を満たしていればワンストップ特例を申請することができます。
しかしその場合であっても、ワンストップ特例を申請せずに確定申告をすることをお勧めします。
何故かというと、ワンストップ特例を申請した後に確定申告をすることになった場合、ワンストップ特例は無効になり、わざわざ申請した手間が無駄になってしまうからです。
しかもこの無効がくせもので、知らされることなくひっそり無効になりますので、ワンストップ特例を申請して住民税の控除を受けたつもりが実は無効になっていたということもあり得ます。
ワンストップ特例が無効になることに気付かなければ、安心してしまって確定申告でふるさと納税分を申告することはないでしょうから、(本人は受けたつもりの)税制面の恩恵は受けられなくなってしまいます。
そこで、年末までに急に医療費がかさんだり副業所得が20万円を超えたりした時のために、最初からふるさと納税分の確定申告をするつもりで準備しておいた方が手続きの漏れやミスが防げます。
ワンストップ特例の申請を済ませて、ふるさと納税先からの「寄付金受領証明書」はもう不要と紛失してしまうと、その後に確定申告をすることになれば必要となり慌てることになります。
他に確定申告の予定がなくても、ふるさと納税分の確定申告はやると決めておいて、医療費控除など他が発生したらついでに申告するくらいのつもりでいた方が良いでしょう。
まとめ
ふるさと納税は「どこの返礼品がお得か」という話題が先行している感がありますが、どうせやるならきちんと税金面の恩恵も受けたいものです。
ふるさと納税は上限額や手続きに分かりにくい面もあり、正しく理解しないとただ返礼品をもらうだけの全額寄付になってしまいます。
副業の所得があればワンストップ特例は受けられないという前提で、手続きを進めましょう。
またワンストップ特例は落とし穴もありますので、副業の所得が無かったとしても、特に確定申告の可能性がある人はふるさと納税分も確定申告するつもりで準備することをお勧めします。
以上、から坊でした。